
「FXを始めてみたいけど、専門用語が多くて何から勉強すればいいかわからない…」
もしあなたがそう感じているなら、この記事はまさにあなたのために書きました。FXの世界には、独特の言葉がたくさん飛び交っています。しかし、一つひとつ理解していけば、決して難しいものではありません。
この記事では、FX取引を始める上で必ず知っておきたい基本的な用語から、少し応用的な用語までを幅広く解説します。初心者の方でも安心してFXの世界に足を踏み入れられるよう、わかりやすい言葉で丁寧に解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
本記事でわかること
- FX取引の基礎知識となる専門用語の意味
- 取引画面でよく目にする用語の解説
- リスク管理や分析に関わる重要なキーワード
- FX学習をさらに深めるためのヒント
1. FX取引の基本用語
まずは、FX取引を行う上で最も基本的な用語を解説します。これらの言葉は、FXの世界では日常的に使われますので、しっかりと理解しておきましょう。
1.1. 為替レート
異なる2つの通貨の交換比率のことです。「1ドル=135円」のように表示され、ある通貨で別の通貨をどれだけ購入できるかを示します。FX取引では、この為替レートの変動を利用して利益を狙います。
1.2. 通貨ペア
FX取引で売買する2つの通貨の組み合わせのことです。「米ドル/円(USD/JPY)」、「ユーロ/米ドル(EUR/USD)」のように表示されます。左側の通貨が「基軸通貨」、右側の通貨が「決済通貨」となります。
1.3. 基軸通貨と決済通貨
通貨ペアにおいて、価格の基準となる通貨が「基軸通貨」、売買・決済の対象となる通貨が「決済通貨」です。例えば、「米ドル/円」であれば、米ドルが基軸通貨、円が決済通貨となります。「1米ドルあたり何円か」という形でレートが表示されます。
1.4. 買い(ロング)と売り(ショート)
FX取引における基本的な取引行動です。「買い(ロング)」は、将来的に価格が上昇すると予想して通貨を購入すること。「売り(ショート)」は、将来的に価格が下落すると予想して通貨を売ることを指します。
1.5. レバレッジ
FXの大きな特徴の一つで、預けた証拠金(担保)の何倍もの金額の取引ができる仕組みです。例えば、レバレッジが10倍であれば、10万円の証拠金で100万円分の取引が可能になります。大きな利益を狙える可能性がある反面、損失も拡大する可能性があるため、リスク管理が非常に重要です。
1.6. ロット
FX取引の取引単位のことです。多くのFX会社では、「1ロット=10万通貨」としていますが、会社や通貨ペアによって異なる場合があります。初心者の方は、まずは少額から取引できる「0.1ロット」や「0.01ロット」といった単位で取引を始めるのがおすすめです。
1.7. pips(ピップス)
為替レートの変動幅を示す単位です。多くの通貨ペアでは、小数点以下4桁目を1pipsと数えます(例:米ドル/円のレートが135.0000円から135.0100円に変動した場合、10pipsの変動となります)。ただし、円絡みの通貨ペアでは、小数点以下2桁目を1pipsとすることが一般的です(例:ユーロ/円のレートが145.50円から145.51円に変動した場合、1pipsの変動となります)。
1.8. スプレッド
FX会社が提示する買値(Bid)と売値(Ask)の差のことです。取引の際に、実質的な手数料となります。スプレッドが狭いほど、トレーダーにとって有利になります。
1.9. スワップポイント
異なる通貨間の金利差によって発生する損益のことです。取引する通貨ペアの金利が高い方の通貨を買い持ちし、低い方の通貨を売り持ちしている場合、スワップポイントを受け取ることができます。逆に、金利の低い通貨を買い持ちし、高い通貨を売り持ちしている場合は、スワップポイントを支払う必要があります。
1.10. マージン(証拠金)
FX取引を行うためにFX会社に預ける担保のことです。レバレッジを利用して取引を行うため、取引金額の全額を預ける必要はありません。必要証拠金額は、取引する通貨ペア、ロット数、レバレッジによって異なります。
2. 注文方法に関する用語
FX取引では、様々な注文方法を使い分けることで、より有利な取引やリスク管理が可能になります。ここでは、代表的な注文方法に関する用語を解説します。
2.1. 成行注文
現在のレートで即座に売買する注文方法です。スピーディーな取引が可能ですが、注文のタイミングによっては、希望のレートと若干ずれて約定することがあります。
2.2. 指値注文
「〇〇円になったら買い(売り)たい」というように、あらかじめ指定したレートになった場合に自動的に売買する注文方法です。希望のレートで取引できる可能性がありますが、相場がそのレートに到達しない場合は約定しません。
2.3. 逆指値注文(ストップ注文)
「〇〇円になったら売り(買い)たい」というように、現在のレートよりも不利なレートを指定して注文する方法です。主に損失を限定するための「ストップロス注文」や、相場が一定の方向に動き出した際に追随するための注文として利用されます。
2.4. IFD注文
新規注文と同時に、その注文が成立した後の決済注文(利益確定や損切り)を予約する注文方法です。「もし〇〇円で買えたら、△△円で売る(または××円で損切りする)」というように、一連の取引の流れを事前に設定できます。
2.5. OCO注文
2つの決済注文(例えば、利益確定の指値注文と損切りの逆指値注文)を同時に出し、どちらか一方の注文が成立したら、もう一方の注文が自動的にキャンセルされる注文方法です。
2.6. IF-OCO注文
新規注文と同時に、2つの決済注文(OCO注文)を予約する注文方法です。IFD注文とOCO注文を組み合わせたもので、「もし〇〇円で買えたら、△△円で利益確定、または××円で損切りする」というように、より複雑な取引戦略を立てることができます。
3. 取引状況・損益に関する用語
取引を進めていく中で、自分の取引状況や損益を把握することは非常に重要です。ここでは、それらに関する用語を解説します。
3.1. 含み益と含み損
まだ決済していないポジションにおいて、現在のレートで決済した場合に発生するであろう利益が「含み益」、損失が「含み損」です。
3.2. 実現損益
実際にポジションを決済したことで確定した利益または損失のことです。
3.3. 証拠金維持率
有効証拠金(現在の評価残高)が必要証拠金に対してどのくらいの割合であるかを示す数値です。証拠金維持率が一定の水準を下回ると、ロスカットが執行される可能性があります。
計算式:証拠金維持率(%)=必要証拠金有効証拠金×100
3.4. ロスカット
証拠金維持率がFX会社が定める一定の水準を下回った場合に、トレーダーの損失が拡大するのを防ぐために、FX会社が強制的にポジションを決済する仕組みです。
3.5. 強制ロスカット
トレーダー自身が損切り注文を出さなかった場合でも、証拠金維持率が危険水域に達すると、FX会社によって強制的に行われるロスカットのことです。
4. 相場分析に関する用語
FX取引で利益を上げるためには、相場の動向を分析するスキルが不可欠です。ここでは、相場分析に関する基本的な用語を解説します。
4.1. テクニカル分析
過去の値動きや取引量などのデータをもとに、チャート分析やテクニカル指標を用いて将来の価格変動を予測する分析手法です。
4.2. ファンダメンタルズ分析
各国の経済状況(経済成長率、雇用統計、物価指数など)や金融政策、政治情勢などの要因を分析し、為替レートの変動を予測する分析手法です。
4.3. チャート
過去の価格変動をグラフで示したものです。一定期間ごとの始値、高値、安値、終値を表示するローソク足チャートや、一定期間の終値を結んだラインチャートなど、様々な種類があります。
4.4. ローソク足
一定期間の価格の動き(始値、高値、安値、終値)を四角い棒と線で表したチャートです。視覚的に価格の動きを把握しやすく、テクニカル分析の基本となります。
4.5. トレンド
相場が一定の方向に継続して動く傾向のことです。価格が上昇し続ける「上昇トレンド(上昇基調)」、下落し続ける「下降トレンド(下降基調)」、どちらにも明確な方向性が見られない「レンジ相場(保ち合い)」があります。
4.6. レンジ相場
相場が一定の価格帯の中で上下を繰り返す状態のことです。明確な上昇トレンドや下降トレンドが見られない状況です。
4.7. サポートラインとレジスタンスライン
サポートラインは、過去に何度も価格が下落を食い止められた水準(下値支持線)のこと。レジスタンスラインは、過去に何度も価格が上昇を阻止された水準(上値抵抗線)のことです。これらのラインは、相場の方向性を予測する上で重要な目安となります。
5. リスク管理に関する用語
FX取引には常にリスクが伴います。リスクを適切に管理することは、安定した取引を行う上で非常に重要です。ここでは、リスク管理に関する基本的な用語を解説します。
5.1. ストップロス(損切り)
損失が一定の範囲に達した場合に、それ以上の損失を防ぐために、あらかじめ設定したレートで自動的にポジションを決済する注文のことです。
5.2. テイクプロフィット(利益確定)
利益が一定の水準に達した場合に、利益を確定するために、あらかじめ設定したレートで自動的にポジションを決済する注文のことです。
5.3. ポジションサイジング
取引する通貨ペアや証拠金の残高、リスク許容度などを考慮して、適切な取引量を決定することです。無理のない取引量を心がけることが、リスク管理の基本となります。
6. 知っておくと役立つ用語
最後に、FX取引についてより深く理解するために役立つ用語を紹介します。
6.1. 変動相場制と固定相場制
変動相場制は、市場の需給によって為替レートが変動する仕組みです。現在の主要国の多くがこの制度を採用しています。一方、固定相場制は、政府や中央銀行が為替レートを一定の水準に維持する仕組みです。
6.2. 金融政策
中央銀行が物価の安定や経済成長などを目的として行う政策のことです。金利の調整や金融市場への資金供給などが主な手段です。金融政策は、為替レートに大きな影響を与えることがあります。
6.3. 経済指標
各国の経済状況を示す統計データのことです。GDP(国内総生産)、雇用統計、消費者物価指数など、様々な指標があります。これらの指標の結果は、為替レートの変動要因となることがあります。
6.4. アナリスト
金融市場の専門家として、経済や市場の動向を分析し、投資判断に関する情報を提供する人のことです。アナリストのレポートや意見は、市場参加者の取引判断に影響を与えることがあります。
6.5. デモトレード
仮想の資金を使ってFX取引を体験できるサービスです。実際の資金を使わずに取引の練習ができるため、初心者の方がFXの仕組みや操作方法を学ぶのに最適です。
まとめ
この記事では、FX取引を始める上で知っておきたい基本的な用語から、少し応用的な用語までを解説しました。FXの世界には、まだまだ多くの専門用語が存在しますが、まずはこれらの用語をしっかりと理解することで、FX取引の基礎を築くことができるでしょう。
FX取引は、正しい知識とリスク管理を身につければ、資産を増やすための有効な手段の一つとなります。焦らず、一つひとつの用語の意味を理解し、デモトレードなどを活用しながら、ご自身のペースでFXの世界を学んでいきましょう。